第39回【熊本駅はなぜ繁華街から離れてる?長崎駅との違いと、知られざる歴史・これからの未来】

 

「はじめての不動産売買に、明るく朗らかな未来を」 株式会社明朗の千場智樹(せんば ともき)です。

先日、長崎駅周辺を訪れた際、大きなビルやお店が立ち並び、多くの買い物客で活気にあふれている様子がとても印象的でした。

その賑わいを目にしながらふと思ったのが、私たちにとって身近な「熊本駅」のことです。

 

「アミュプラザくまもと」がオープンして以来、駅周辺は昔よりもずっと綺麗で賑やかになりました。

それでも、長崎駅周辺の盛り上がりと比べると、「もう少しお店や街の広がりが欲しいな」と感じる場面もあるのではないでしょうか。

 

では、なぜ長崎駅の周辺はあそこまで発展しているのでしょう?

そしてそもそも、なぜ熊本駅(熊本市西区)は、通町筋や下通のような街の中心部(熊本市中央区)から少し離れた場所にあるのでしょうか?

 

今回は「まちづくりの歴史」と「不動産」の視点から、その気になる疑問を分かりやすく解説していきたいと思います。

 

 

長崎駅と熊本駅、まちの成り立ちの「大きな違い」

 

長崎駅前が賑やかに見える最大の理由は、「街の真ん中に駅があるかどうか」という歴史と地形の違いにあります。

 

【長崎駅】海と山に挟まれた「ひとつの中心地」

 

長崎市は、海と急な山に挟まれた限られた平地に街がつくられています。

そのため、お店やホテル、観光地、そして長崎駅がぎゅっと狭いエリアに集まっています。

さらに、西九州新幹線の開業にあわせて駅前を大改造し、駅のすぐそばに商業施設やホテル、イベント広場、サッカースタジアムなどを一気に集めました。

限られたエリアに魅力的な新しい施設が集中的に誕生したことで、非常に活気ある景観が生まれています。

【熊本駅】中心街が「2つ」に分かれている

 

一方で、熊本市は事情が異なります。熊本には昔から、熊本城の城下町として発展した「通町筋・下通・上通」という九州有数の大きな繁華街が存在します。

実は歴史を遡ると、玄関口となる熊本駅は当時の様々な事情から、あえて街の中心から離れた場所に建てられました。

そのため熊本市は、長年にわたって「繁華街(熊本市中央区)」と「玄関口(熊本市西区)」という2つの中心がある街として発展してきたのです。

 

なぜ熊本駅は繁華街から離れた場所にできたの?

 

「同じ場所にできれば、中心街がもっと栄えたのでは?」と思われた方も多いのではないでしょうか。

実は、熊本市のように「昔からの繁華街」と「ターミナル駅」が離れてしまった都市は、日本全国(京都・広島・鹿児島など)にいくつも存在します。

 

なぜ熊本駅が中心部に作られなかったのか。そこには明治時代(1890年前後)ならではの3つの大きな理由がありました。

 

理由①(用地の問題):すでに「家やお店」がたくさん建っていたから

 

熊本駅ができる頃、通町筋や下通の周辺(現在の熊本市中央区)はすでに大きな城下町として大発展しており、家や商店、武家屋敷がギッシリ立ち並んでいました。

そこに蒸気機関車を通すには何百軒もの家を立ち退かせる必要があり、ものすごく大変でお金がかかりました。

そのため、当時はまだ畑や空き地が広がり土地が手に入りやすかった「白川の近く(現在の熊本市西区)」を選んだのです。

 

理由②(地形の問題):昔の蒸気機関車は「坂道」や「カーブ」が苦手だったから

 

明治時代の蒸気機関車はパワーが弱く、急な坂道や急カーブを走ることができませんでした。

熊本城周辺は高台や川、複雑な道が多く線路を敷くのが難しかったため、山や川を避けた平らな土地(現在の熊本市西区)を通るルートが選ばれました。

理由③(反対運動):「煙や火の粉」を怖がられたから

 

昔の蒸気機関車は、モクモクと黒い煙を吐き、火の粉を飛ばして走っていました。

当時の街の人々から「城下町で火事が起きたら困る!」「煙で街が汚れる」といった反対運動が起き、街の外れに作らざるを得なかった背景もあります。

これからの熊本駅周辺は「もっと面白くなる!」

 

「じゃあ、熊本駅周辺はこのままなの?」というと、決してそんなことはありません!

離れてしまった歴史があるからこそ、熊本市は路面電車で駅と繁華街をつなぎ、「歴史と買い物の街(熊本市中央区)」と「新幹線と新しいカルチャーの街(熊本市西区)」という2つの魅力を持つ街へ成長していきました。

さらに今、熊本駅周辺は「新しい進化の途中」にあります。

 

駅前広場のリニューアル

熊本駅の新幹線口(西口)では、車の乗り降りがスムーズになるよう道路を整理し、「おてもやん像」の周辺をマルシェやイベントができるオープンな広場へ生まれ変わらせる計画が進んでいます。

 

周辺の再開発プロジェクト

市民病院跡地や旧庁舎跡地など、ハイクラスホテルや新しいオフィス、オシャレな商業施設を建てる街づくりが進んでいます。

 

「TSMC」進出によるパワーアップ

世界的な半導体企業であるTSMCの進出に伴い、熊本の玄関口である熊本駅周辺には、これから新しいマンションやホテル、オフィスビルがさらに増えていくと予想されています。

 

2つの中心があるのは「熊本の強み」!

 

長崎駅周辺は、限られたエリアにぎゅっと賑わいを集めた「一極集中型」の素敵な街です。

それに対して熊本市は、歴史ある通町筋周辺と、新しく進化を続ける熊本駅周辺という「2倍のエリアで発展できるポテンシャルを持った街」と言えます。

熊本駅前(熊本市西区)がこれからどんどん進化していけば、通町筋・下通・上通・桜町(熊本市中央区)と並ぶ「ダブル主役」の素晴らしい街になっていくはずです。

熊本に暮らす私達にとって、自分の住む街が便利にカッコよくなっていく姿を見るのはとてもワクワクしますよね。

次に熊本駅を訪れるときは、ぜひ「これからどんな素敵なお店や広場ができるのかな?」と未来の姿を想像しながら、街の変化を楽しんでみてください!

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