不動産コラム第12回【はじめて不動産を売却する際に知っておくべきこと】

「はじめての不動産売買に 明るく朗らかな未来を」株式会社明朗の千場智樹です。
今回のコラムでは、『はじめて不動産を売却する際に知っておくべきこと』という題名通り、戸建住宅や土地・マンションなどの不動産を所有している方が、その不動産を売却する際に知っておくべきことについてお話ししていきたいと思います。
実践的な内容を含んだコラムになっておりますので、是非最後までご覧ください。
不動産の売却方法
まずは、不動産の売却方法についてお話ししていきたいと思います。
売却方法は対象となる不動産が戸建住宅やマンションであるのか、土地のみであるのかによって異なります。
今回のコラムでは、お問合せをいただくことが多い事例である、住み替え(居住中の戸建住宅やマンションを売却し、別の住まいへ引っ越す)の場合についてお話しさせていただきます。
※相続によって取得した戸建住宅や土地の売却のケースについては、次回のコラムでお話ししていきたいと思います。
それでは、居住中の戸建住宅やマンションを売却する場合ですが、その方法は大きく分けて3種類あります。
それぞれの方法によって売却金額も変わってきますので、合わせてご説明させていただきます。
空き家にして売却する方法
まずは、最も高い金額で売却が可能となる方法になります。
買主様目線で考えた場合、何も物がない状態で綺麗なお部屋をいつでも確認でき、また、購入後すぐに移り住むことができる状態は一番好ましい状態であります。
つまり、「買主様目線で一番好ましい状態=一番高値で売れる状態」ということが言えます。
買取再販業者が売主の場合と違い、個人が売主である場合には難しいですが、下記内容を行えば買主様目線で一番好ましい状態の度合いが高まる為、より高値で売れるようになります。
・汚れている個所をハウスクリーニングして綺麗にする
・傷んでいるところをリフォームして修復する
・古い器具を取り換えて新品にする
なぜ個人が売主である場合に難しいかというと、それぞれ費用がかかり、買主様の好みも関係してくるからです。
ハウスクリーニングであれば買主様の好みは関係しませんので、資金に余裕がある場合にはオススメいたします。
しかしながら、空き家にして売却するということは、その住まいの所有者である売主様は別の住まいにお引越しをする必要があります。
売却に先行して住み替え先の住まいを確保できる方はよいですが、そうでなければ一旦賃貸を借りる必要があったり、一時的にご実家へ住まわせてもらうなどの対応が必要となります。
なるべく高値で、なるべく早くに売却を実現したい方に向いている選択となります。
住み続けながら売却する方法
空き家にして売却する場合が一番高値で売れる方法となりますが、空き家にすることが困難であれば、住み続けながら売却するという選択肢もあります。
現実、お住み替えの理由により売却を希望される方のほとんどが、住み続けながら売却することを選ばれております。
住み続けながら売却する方法とは、空き家にせずに住み続けたまま売却活動を行い、内覧ご希望が入れば売主様と買主様の日程を調整し、双方のご都合が良い日時で内覧案内を行うという方法になります。
荷物や生活感があると空き家ほど高くは売却できず、いつでも内覧ができるわけではないので空家の時ほどのスピード感は実現しずらいです。
しかしながら、売却できるまで他に移り住む必要はありませんので、余計な費用も抑えることができ、お引越しの苦労を避けることができます。
多少時間はかかっても周辺相場に近い金額で売却を希望される方に適した選択と言えます。
買取再販業者に売却する方法
上記2つは、長短かかる時間は違えど、時間をかけてなるべく高値で売却をしたい、言うなれば価格優先の選択肢でありました。
3つ目は、それらとは異なり、相場よりも安値でも構わないので、早期売却・現金化を希望とされる方の選択肢になります。
買取再販業者が提示される金額でご納得いただけるようであれば、すぐにその金額で売買契約を行い、数日中に決済(売買代金の授受)・引渡しを行うことができます。
不要な荷物はそのままに残して、決済・引渡しのタイミングを売主様の都合で行うことも実現可能です。
しかしながら、買取再販業者は「買取価格+売買に係る費用+リフォーム費用+利益=市場で売れる価格」でないと買取が行えません。
よって、買取価格は相場価格の6割程度の金額となる場合が多いです。
それでも早期現金化を希望される方や、次の住み替え先を購入するのに住宅ローンが組めず現金購入を余儀なくされている方にとっては、おすすめの方法となります。
『はじめて不動産を売却する際に知っておくべきこと』とは?
これまで、不動産売却における大きく3つの主要な方法についてお話ししてまいりました。
それぞれにメリットとデメリットがあり、売主様の状況や優先順位によって最適な選択肢が異なることがご理解いただけたかと思います。
しかし、実際には上記3つの方法以外にも、「買取価格程ではないにしろ、相場より多少安く売りだして早期売却を目指す」といった、両者の中間のような方法も存在します。
「最適な選択肢」を見つけるために
『はじめて不動産を売却する際に知っておくべきこと』とは、これらの様に、それぞれ違った価値観や置かれている状況・環境などによってとるべき選択肢が多数存在するということです。
そして、その多様な選択肢の中から、ご自身の状況に最も適した「最適な選択肢」を見つけ出すことが、成功する不動産売却の鍵となります。
不動産会社に相談すると、不動産のプロ目線でその方に最も適していると思われる選択肢を一つ提示される場合もあります。
しかし、その選択肢が本当にご自身にとって最適であるのか、後から後悔しないためにも、ご自身でしっかりと知識をつけ、「どのような選択肢があるのか」「それぞれのメリット・デメリットは何か」を理解した上で、不動産会社と相談することが非常に重要です。
積極的に情報収集し、疑問は解消しましょう
不動産会社は、お客様にとって最善の提案をすることを目指していますが、最終的な決定は売主様ご自身が行うものです。
そのため、不動産会社に提示された選択肢だけでなく、ご自身で疑問に思うことや、他に考えられる選択肢がないかなど、積極的に質問してみることを強くお勧めします。
例えば、
「他にも、このような売却方法はないのでしょうか?」
「この方法を選んだ場合、具体的なメリット・デメリットはどんなことが考えられますか?」
「もしこの価格で売れなかった場合、次にどのような手を打てばよいですか?」
といった具体的な質問を投げかけることで、より深く、より多角的に売却戦略を検討することができます。
不動産売却は、人生の大きな節目となる重要な決断です。
後悔のない売却を実現するためにも、このコラムが皆様の一助となれば幸いです。