不動産コラム第1回目【不動産を売却したいと思ったらまずどうする?】

皆様、こんにちは!
『はじめての不動産売買に明るく朗らかな未来を』株式会社明朗の千場智樹です。
皆様の不動産に関する疑問や不安に寄り添い、少しでも安心して取引を進めていただけるよう、この不動産コラムを通じて情報発信をさせていただきたいと思います。

初めての不動産売買は、期待と同時に多くの不安がつきまとうものです。特に不動産売却は、人生における大きな決断の一つであり、「何から始めればいいのか」「誰に相談すればいいのか」「損をしてしまわないか」といった疑問や心配が尽きないのではないでしょうか。

第1回目のコラムでは、そんな初めて不動産を売却される方に向けて、売却を検討し始めた段階から、スムーズかつ有利に売却活動を進めていくための重要なステップと、知っておくべき注意点を、経験に基づきながら分かりやすく、そしてより深く掘り下げて解説させていただきます。

もし、この記事をお読みいただいても不明な点があったり、個別の状況に合わせてご相談されたいことがございましたら、どうぞお気軽にメールやお電話にてお問い合わせください。皆様の疑問や不安を解消し、明るい未来へと繋がるお手伝いをさせていただければ幸いです。

それでは、第1回目のコラムは、『不動産を売却したいと思ったらまずどうする?』というテーマで、初めての不動産売却を成功させるための最初の重要なステップを、より詳細に、そして多角的な視点を交えながらお話しさせていただきたいと思います。

 

 

1.売却の目的と目標を明確にする
不動産売却を検討し始めたら、まず最初に立ち止まって考えていただきたいのが、「なぜ、この不動産を売却したいのか?」という根源的な問いです。この売却の目的と、それによってどのような状態を目指したいのかという売却の目標を明確にすることは、その後の売却活動全体の羅針盤となり、迷うことなく正しい方向へ進むための重要な第一歩となります。

(売却の目的)
売却の目的は、人それぞれ多岐にわたります。以下に代表的な例を挙げ、それぞれの目的がその後の売却活動にどのように影響を与えるのかを掘り下げていきましょう。

住み替え
より広い家、利便性の高い場所、理想の住環境への転居など、現在の住まいから新しい住まいへとステップアップするための売却です。この場合、「いつまでに新しい住まいを見つけたいか」「売却資金をどの程度新しい住まいの購入に充てたいか」といった目標設定が重要になります。また、売却と購入のタイミングをどのように調整するかが大きなポイントとなります。

相続
親族から相続した不動産を売却する場合、遺産分割協議や税金対策などが絡んでくることがあります。「相続税の納税資金を確保したい」「共有名義となっている不動産を現金化して分割したい」など、具体的な目的によって売却戦略は大きく変わります。

転勤
勤務先の異動により、現在の住居から離れた場所へ引っ越す必要が生じた場合の売却です。「できるだけ早く売却して身軽になりたい」「転勤先での新生活に支障がないように売却を進めたい」といった時間的な制約が目標設定に大きく影響します。

投資用不動産の売却
収益性の低下や投資戦略の変更などにより、保有している投資用不動産を売却するケースです。「より収益性の高い物件に買い替えたい」「老後の資金として現金化したい」など、投資の目的や出口戦略によって重視するポイントが変わってきます。

資金調達
事業資金や教育資金、老後資金など、まとまった資金が必要になった際に、保有している不動産を売却して資金を得るという目的です。「いつまでに、いくらの資金が必要なのか」という具体的な目標金額を設定することが重要になります。

その他
その他にも、ライフスタイルの変化(子供の独立、離婚など)、維持管理の負担軽減、空き家の有効活用など、様々な売却理由が考えられます。それぞれの理由によって、売却の優先順位や重視する条件が変わってきます。

 

(売却の目標)
売却の目的を明確にしたら、次に具体的な売却の目標を設定しましょう。目標を具体的にすることで、不動産会社との連携もスムーズになり、より効率的な売却活動が可能になります。

いつまでに売却したいのか(売却時期)
「〇ヶ月以内」「年内」「子供の進学まで」など、具体的な期限を設定することで、逆算して売却活動のスケジュールを立てることができます。ただし、市場の状況や物件の特性によって、希望通りの時期に売却できるとは限りません。不動産会社と相談しながら、現実的な売却時期を設定することが重要です。

いくらで売却したいのか(売却価格)
希望売却価格を設定することは非常に重要ですが、相場とかけ離れた価格設定では売却が長期化する可能性があります。後述する相場調査の結果や不動産会社の査定価格を参考に、現実的な価格帯を見極める必要があります。「最低〇〇〇〇万円は確保したい」「少しでも高く売りたい」といった希望も、不動産会社にしっかりと伝えるようにしましょう。

どのような条件で売却したいのか(売却条件)
価格以外にも、引渡しの時期、付帯設備の扱い、瑕疵担保責任の有無など、売却において重視する条件を明確にしておきましょう。「引渡しは〇月以降が良い」「現状有姿での売却を希望する」など、具体的な希望を伝えることで、よりスムーズな取引に繋がります。

 

これらの目的と目標をしっかりと定めることで、売却活動の軸が明確になり、不動産会社選びや価格設定、販売戦略などを検討する際の判断基準となります。まずはご自身と向き合い、なぜ売却したいのか、そして売却によって何を実現したいのかをじっくりと考えてみてください。

 

 

2.不動産の相場を把握する
売却の目的と目標が明確になったら、次に重要なステップは、所有する不動産の『現在の市場における価値(相場)』を把握することです。相場を把握することで、売却価格を適切に設定することができ、売却活動を有利に進めるための重要な判断材料となります。

(相場を調べる方法)
不動産の相場を調べる方法はいくつかあります。それぞれの特徴を理解し、複数の方法を組み合わせることで、より客観的な相場を把握することができます。

不動産情報サイトで近隣の類似物件の売却価格を調べる
SUUMO、HOME’S、at homeなどの大手不動産情報サイトでは、現在売りに出されている近隣の類似物件の情報や、過去の成約事例を検索することができます。築年数、間取り、広さ、立地条件などが似ている物件の価格を比較することで、おおよその相場感を掴むことができます。ただし、これらの情報はあくまで売り出し価格であり、実際の成約価格とは異なる場合があることに注意が必要です。また、物件の状態や個別要因(リフォームの有無、眺望など)は考慮されていない場合もあります。

不動産会社に査定を依頼する
複数の不動産会社に実際に物件を査定してもらうことは、より精度の高い相場を把握するための有効な手段です。不動産会社の担当者は、地域の市場動向や過去の取引事例、物件の個別的な特徴などを考慮して査定価格を算出します。査定価格だけでなく、査定の根拠や担当者の説明、会社の信頼性なども比較検討することが重要です。無料で査定を行ってくれる不動産会社がほとんどですので、積極的に活用しましょう。

国土交通省の不動産取引価格情報検索を利用する
国土交通省が運営する「不動産取引価格情報検索」サイトでは、過去の実際の不動産取引価格を検索することができます。成約時期、物件の種類、所在地などを指定して検索できるため、より客観的なデータに基づいた相場を把握することができます。ただし、情報の公開にはタイムラグがあること、個別の物件の状態までは分からないことに留意する必要があります。

不動産鑑定士による鑑定評価
より専門的な評価が必要な場合には、不動産鑑定士に鑑定評価を依頼するという選択肢もあります。鑑定評価は費用がかかりますが、法的な根拠に基づいた客観的な不動産の価値を知ることができます。相続や離婚時の財産分与など、特別な理由がある場合に検討すると良いでしょう。

 

複数の方法で相場を調べ、それぞれの情報を照らし合わせることで、より客観的な視点でご自身の不動産の価値を把握することが重要です。相場を理解することは、不当に安い価格で売却してしまうリスクを避け、適正な価格でスムーズに売却を進めるための基礎となります。

 

 

3.信頼できる不動産会社を選ぶ
不動産売却は、専門的な知識や経験、そして地域に根差した情報網が必要となるため、信頼できる不動産会社のサポートは不可欠です。不動産会社は、物件の査定から買主の探索、契約手続き、引渡しまで、売却活動全般をサポートしてくれる心強いパートナーとなります。

(不動産会社の選び方)
数多くの不動産会社の中から、自分に合った信頼できる会社を選ぶためには、いくつかのポイントに注意する必要があります。

複数の不動産会社に査定を依頼し、査定価格や担当者の対応を比較する
一社だけに査定を依頼するのではなく、必ず複数の不動産会社(最低でも3社程度)に査定を依頼しましょう。査定価格だけでなく、なぜその価格になったのかという根拠や、担当者の説明の丁寧さ、質問への的確な回答などを比較検討することが重要です。高すぎる査定価格には注意が必要です。売却のご依頼獲得の為に、意図的に高い価格を提示する業者も存在します。

不動産会社の得意分野(マンション、戸建て、土地など)を確認する
不動産会社には、それぞれ得意とする物件の種類や地域があります。ご自身の物件の種類や所在地に強みを持つ不動産会社を選ぶことで、より専門的なアドバイスや効果的な販売戦略を期待できます。

不動産会社の過去の売却実績や顧客の評判を参考にする
不動産会社のウェブサイトや口コミサイトなどで、過去の売却実績や顧客からの評判を確認してみましょう。実績が豊富で、顧客からの評価が高い会社は、信頼できる可能性が高いと言えます。実際に知人や友人に不動産売買の経験者がいれば、紹介してもらうのも良い方法です。

担当者の人柄やコミュニケーション能力も重要なポイント
売却活動は、不動産会社の担当者と二人三脚で進めていくことになります。担当者の人柄が信頼できるか、こちらの疑問や不安に親身になって対応してくれるか、コミュニケーションが円滑に取れるかなども、会社選びの重要な要素となります。相性の良い担当者を見つけることが、スムーズな売却に繋がります。

 

(媒介契約の種類と特徴を理解する)
不動産会社と売買の仲介を依頼する際には、媒介契約を結ぶ必要があります。媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。

一般媒介契約
複数の不動産会社に同時に仲介を依頼できる契約です。自分で買主を見つけて直接契約することも可能です。複数の会社に競争させることで、より多くの買主候補にアプローチできる可能性がありますが、各社の販売活動へのモチベーションが低くなる可能性もあります。

専任媒介契約
一つの不動産会社にのみ仲介を依頼する契約です。一般媒介契約に比べて、不動産会社は積極的に販売活動を行ってくれる傾向がありますが、他の会社に依頼することはできません。

専属専任媒介契約
一つの不動産会社にのみ仲介を依頼する契約で、専任媒介契約よりもさらに売主への報告義務などが厳格化されています。自分で買主を見つけた場合でも、必ずその不動産会社を通して契約する必要があります。その分、不動産会社はより一層、売却活動に力を入れてくれることが期待できます。

 

それぞれの契約内容、メリット・デメリットをしっかりと理解し、ご自身の売却プランや希望に合った契約を選ぶことが重要です。不動産会社の担当者にそれぞれの契約内容について詳しく説明してもらい、納得した上で契約を結ぶようにしましょう。

 

 

4.売却に必要な書類を準備する
不動産売却には、様々な書類が必要となります。事前に必要な書類を把握し、準備しておくことで、売却活動がスムーズに進み、契約や引渡しの手続きも滞りなく行うことができます。

(主な必要書類)
以下は、不動産売却の際に一般的に必要となる主な書類です。物件の種類や状況によって追加で必要となる書類もありますので、不動産会社の担当者に確認しながら、早めに準備を進めておきましょう。

登記済権利証または登記識別情報
不動産の所有者であることを証明する重要な書類です。紛失しないように大切に保管しましょう。もし紛失してしまった場合は、司法書士に相談して再発行の手続きを行う必要があります。

固定資産税納税通知書
不動産の評価額や課税額などが記載されています。売却時の税金計算や、買主への情報提供に必要な場合があります。

建築確認済証、検査済証(戸建ての場合)
建物の建築が法令に基づいて行われたことを証明する書類です。買主が住宅ローンを利用する際などに必要となることがあります。

マンションの管理規約、使用細則(マンションの場合)
マンションの管理に関するルールや、共用部分の使用に関する注意事項などが記載されています。買主への重要事項説明の際に必要となります。

本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
売主様の本人確認のために必要となります。

その他不動産会社から指示されたもの
物件によっては、測量図、間取り図、リフォーム履歴、住宅ローンの残高証明書など、追加で書類が必要となる場合があります。不動産会社の指示に従って準備しましょう。

 

これらの書類を事前に準備しておくことで、いざ買主が見つかった際に、スムーズに契約手続きを進めることができます。もし、どの書類が必要なのか分からない場合は、遠慮なく不動産会社の担当者に確認するようにしましょう。

【注意点】
・売却価格は、不動産会社に言われるがままに決めず、自身でも相場を調べて慎重に判断しましょう。
・不動産会社との媒介契約は、契約内容をしっかりと確認し、納得した上で締結しましょう。

【まとめ】
不動産売却は、時間も手間もかかる大きな取引です。
しかし、事前にしっかりと準備し、信頼できる不動産会社のサポートを受けることで、スムーズかつ有利に売却を進めることができます。

 

今回のコラムでは、『不動産を売却したいと思ったらまずどうする?』というテーマで、売却の目的と目標の明確化、相場の把握、信頼できる不動産会社の選び方、そして必要な書類の準備について詳しく解説させていただきました。
初めての不動産売却は不安が多いものですが、一つ一つのステップを丁寧に理解し、準備を進めていくことで、必ず明るい未来へと繋がるはずです。

株式会社明朗は、皆様の不動産売買が安心かつスムーズに進むよう、全力でサポートさせていただきます。どんな些細なことでも構いませんので、お気軽にご相談ください。
今後とも、このコラムが皆様の不動産に関するお悩み解決の一助となれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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